天空の神秘~「天上聖母算命学」をちらりと覗く☆

日本天后会/機関誌「アンドロメダ」

先日ご紹介した「算命学の南派(台湾)の流れ」と言われている西川満氏の「天上聖母算命学」に最近すっかりハマっております。

北落師門の魂~「天上聖母算命学」をちらりと覗く☆
http://tamayura10.blog123.fc2.com/blog-entry-248.html

とにかく現状で手に入るだけの資料をありったけ入手しました。資料の山に埋もれて、空き時間や寝る前にひたすら読み続けていると、至福極まりなく、なんとも幸せな気分になります。なにせ西川氏は詩人、文学者ですから…その著述はまったく教科書的ではなく、夢とロマンに満ちあふれています。なんと言っても北落師門(調舒星)3つの方ですので、ご自分の好みや主観が多々入っていますし、詩的な象徴表現も多いので、読み手によって文章や著述内容の好みは大きく分かれるでしょう。

たとえばこんな…

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ああ、アルジェの月、バレンシアの月、ペルージャの月、台北の月、東京の月、塩原の月。月は一つなのに、見る人と、見る土地によって色も形もさまざまに変わる。そしてまた、月は一つなるが故に、遠く離れていても、心と心は一つに結ばれる。友のギターのしらべ、甘く悲しく切なく。「泣きたまへ、ただ泣きたまへ」(ノアイユ婦人)と。

しらべに酔うわが耳もとに、ひとがささやく。「あの星は?」指さすところに青く光る一つの星。「あれこそ、全天第一の織女!ほら、こちらに牽牛。銀河は雲でとぎれているが、白鳥の北十字が、斜めに」「あ、あれがわたしの星!」ひとは声をうるませ、いつまでも無言で見上げている。ひとの頬を濡らすものがある。かくすには月がまたあかるすぎた。不幸な過去をもつ人の眼に、今しもうつる天上の星!わたしにはわかる。この夜、このとき、このひとは神を見たのだと。

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西川満/10大恒星

十大恒星は、1月から南中する順に、昴(プレヤーデス)、五車(カペラ)、天狼(シリウス)、北斗、北冠、大火(アンタレス)、織女(ヴェガ)、南斗、牽牛(アルタイル)、北落師門(フォーマルハウト)である。

この中で白く光るのは、織女と牽牛、それから北落師門。青白いのは天狼。黄色いのは五車。赤とも緑とも、えもいわれぬ光を見せるのが大火(アンタレス)であり、白とも赤ともつかず煙るのが、葡萄の房のような昴(プレヤーデス)である。

『アンドロメダ』第255号 天空の神秘/西川満

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あちこちに「祈りによって顕現するXという星」というような著述が表れてくるように、西川氏自身の信仰(そもそもは媽祖信仰から転じたのでしょうか。日本天后会)が色濃く反映されている部分も多いので、いわゆる占いだけではなく宗教的な要素も多く見られます。

西川氏が三つお持ちだったという調舒星=北落師門の一族は、本流に逆らう、権威に盾突く反逆児です。最初っから万人受けする気なんかさらさらないです。(へそまがり~)孤独を恐れないけど、さびしがりやでもあったりする厄介な習性…とはいえ、いちど懐に入れば、どこまでも情が深い一面もあります。決してひとすじなわではいかない一族といえるでしょう。

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西川式の算命学の内容は、高尾式の算命学とはやや異なり独特です。陰占についての記述は見当たらず、陽占(いわゆる算命の9マス命式)のみを用いています。それから「X」という独特の守護星(各種の恒星)概念があります。

西川式/命式配置図

十二従星は「十二命星」と称されていて、3つの命星のなかでは、左下の星(一般には晩年期と呼ばれる位置。日干&日支から生じる星)が最も重視されているようです。

西川式/命式分類

その分類は「根、幹、枝葉」と記述されています。

十大恒星(=十大主星)は、陰陽五行に対応させてないです。また石門星(=五車)は、四柱推命の劫財の解釈にに近いと思われます。非常に大胆不敵な、家庭破りの星として描写されています。

おもしろいことに、西川氏は龍高星=大火がお嫌いなご様子を全く隠さないようにみえます。あとは、北冠(貫索星)の記述が少ないようにも思います。そうした個人的な好みの偏りが反映されているのを分析するのもまた一興です。

外国の歴史上の人物の伝記と重ねながら星を読んでいくスタイルが非常に興味深く面白いです。また、読者からのお悩み相談に答えていくスタイルも、時代が反映されています。女性の結婚とキャリアの問題はこの時代からすでにあったようで、天狼(車騎星)、大火(龍高星)、北冠(貫索星)あたりを多く持つ女性たちがいわゆるキャリアウーマンとして活躍なさってた様子や、昔ながらの結婚生活にすんなりあてはまらないような星の構成を持つ女性=北落師門(調舒)×牽牛・天狼(車騎)のケースへのアドバイスなど、現代でもじゅうぶんに通用する内容も散見されます。

残念ながら著書は絶版ばかりで、現在ではなかなか簡単に手に入りませんが、購入しなくても図書館などで探してみるのもよろしいかと思います。

秘解「天中殺」―星の神秘と命運を知る 講談社 (1985/03)
天中殺―星の神秘と運命  講談社 (1972)
人間の星 (1959年) 六興出版社

占い関係で一般に発売されたのはこの辺りだと思います。上記の本、上の2冊はほぼ同じ内容だったはずです。
概要や雰囲気を知るだけなら、このどちらかを読めばほぼ十分かと思われます。

私はかなーり手間と時間をかけて、機関誌『アンドロメダ』からの複写を大量に入手しました。これをひたすら丹念に読んでいくのは実に楽しい時間でした。おりにふれ、ときどき見直してみたくなります。



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2011/05/27(金)
『天上聖母算命学』

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